shivanii

studio482+店主。
仕事は台所道具と料理にまつわることをいろいろやっています。イベント、WS、執筆活動、コラム記事など。
ミシマ社「みんなのミシマガジン」で「みんなのおむすび」コラム連載中。著書に「野菜料理の365日」「野菜のごちそう」「焼き菓子レシピノート」最新本「野菜たっぷり すり鉢料理」(アノニマスタジオ)只今、各地でイベントを展開中。
肩書きはなし(で生きたい)。

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「おむすびのにぎりかた」が発売されました!

3年間コラムを書いてきた「みんなのおむすび」(ミシマ社のウェブマガジン’みんなのミシマガジン’)が、このたび書籍となって発売されました。写真家、野口さとこさんと一緒に、あてもなく始めたおむすび取材をスタートさせたのが4年前ぐらいだったか。それを編集社「毬藻舎」の友成響子さんが、知る人ぞ知る「ミシマ社」に企画を持って行ってくれて...そして始まったコラムです。いろいろな分野で活躍されている方々におむすびを握っていただき、お話を伺い、その方の考え方、生き方を通しておむすびを観ていくというコラム。なかなかどうして骨太な内容だと思います、へへ。この本はおいしいおむすびをにぎるための心を探る内容で、技術的なものではありません。けれど、おむすびこそ精神性が大事だと思うのです。 おむすびに必要なのはごはんと塩だけ。誰でもこの2つの材料さえあればできます。そこが料理と違うところ。



三角でも、丸でも、俵型でも、 大きくても、小さくても、無骨であっても、みんな等しく正しい。 こうしなきゃダメ、あーしなきゃダメ、を

どんなものでもいい、自由であれ、っておむすびが教えてくれる。

恥ずかしさやプライドも捨てて、無心になれる。



誰でも握れるおむすび。でもひとりひとり、みんな違うおむすび。

おむすびはその人自身であり、オブジェですね。自身の心がおむすびに込められてはじめて、食べる人に伝わるものです。

おむすびのおいしさは技術的なことよりも「大切な人から大切な人へ握る」心の有り様で変わってくるのではないかと、取材を終えて思います。 どの方のお話も印象深かかったですねぇ。そして、どのおむすびもおいしかった。少し紹介しますと、例えば、京都妙心寺「花園禅塾」の塾長である羽賀浩規さんにお話しを伺ったときは、もう鼻から火が吹くほど興奮状態でした。お坊さんにおむすびを握ってもらえるなんて夢のようだったし、お坊さんになりたかった私としては(これほんとの話、笑)、妙心寺に尋ねて行くだけでも胸が高まりました。「人生は回り道していい。いらないものや役に立たないものはひとつもない。経験は邪魔にならないのです。」という羽賀さんの言葉が印象に残っています。

著書「野菜たっぷり すり鉢料理」の豆腐コロッケ

著書「野菜たっぷり すり鉢料理」の小さなエピソードをひとつ。 本の中にあり「豆腐コロッケ」は元々、ニューヨークにある「アンジェリカキッチン」という老舗カフェの料理をアレンジしたものです。 ニューヨーク・イーストサイドにある「アンジェリカキッチン」に訪れたのは25年ぐらい前でしょうか。このカフェは1970年代から老舗ベジタリアンカフェとして、すでに有名でした。ちなみに私がベジタリアンになったのは30年以上前で、日本ではまだベジタリアンだと言うと怪しまれ、笑、「ヨガ」という言葉に人は、何かの宗教か?と奇異な目で見ていた時代でした。 ニューヨークに行ったのはちょうどクリスマスの頃で、町中がクリスマスのデコレーションで煌びやかで、人も街も、そのエネルギーに包まれているようでした。
とにかく片っ端からベジ食を食べましたよ。
NYはすでにベジが容認されていましたから、いろいろな料理を楽しめました。イタリアン、チャイニーズ、無国籍料理、アジア料理...。へー、こんな料理法があるのかぁと、感心しきりでした。アンジェリカキッチンで当時、出していたメニューに「Millet and Sunflower Croquettes」というのがありました。コロッケですね。揚げずにオーブンで焼いたものです。
無国籍的な味がし、豆腐ときびと、そしてエスニック的な香りがあって、実にNYらしい料理でした。味は良かったけれど、何せ量が多くてねぇー、半分は残飯整理班の夫の胃袋の中へ。てなわけで、
「野菜たっぷり すり鉢料理」の34ページ掲載の豆腐コロッケは、この感動した味を、結構再現できたんじゃないかなと思います。コロッケの中身は違うけれど。どこかエスニックな香りがして、子供から大人まで、みんなが楽しめるお料理だと思います。「野菜たっぷり すり鉢料理」はこちらからご購入いただけます。