インドの形

〜鍋とカレーのおいしい関係〜


密かに...インドで結婚したのは31年前。

カルカッタ郊外で、高熱でフラフラの中、900円のサリーを着て、笑。


ネパールで食べ物に当たり、肋骨が出てくるぐらいガリガリになり、

そのまま3000m級のヒマラヤのアンナプルナ・ベースキャンプまで2週間かけて山を登り...。登山中には「これでお陀仏か?」を2回経験しましたっけ。

インドに入ってからもマンゴーとサトウキビジュースしか喉に通らず、さらに肋骨が出てきてしまった..。風が吹けば飛ばされてしまうぐらいの身軽さ、はは。

そして「骨皮ガリ子さん」は無事にインドで式を挙げました。


日本に帰ると、インドではあんなに鼻についたスパイスも懐かしい香りに変わっていきました。

日本のカレーライスは嫌いだけど、インド料理はいつ食べても飽きません。汗をかくほど辛〜いカレーを食べるのは快感です。


我が家でカレーを作るときは、普通のステンレス鍋や土鍋「ORIBEさん」を使うけれど、

ふと「インド人のようにインド鍋でカレーを作ってみたい」という衝動に駆られまして。



インド鍋を購入してしまいました。

直径21cm。ステンレス製。

下部の外側だけ銅で作られています。これは熱伝導をよくするためと思われます。

軽い...。厚みがないので落としたら凹みそうな感じです、笑。

割とコンパクトに見えるけれど、水が1リットル入ります。


下が羽釜のように丸く、鍋底がつぼんでいるので、油の中でスパイスが無理なく泳げます。

インド人のためのインド鍋。たまらんです。

(ちなみに土鍋「ORIBEさん」も鍋底は同じような形状です。実は土楽の土鍋はインドカレーが得意なんです。)



コロンとしていて愛着のある形。

すでに我が家の台所に溶け込んでいる...。「アチャさん」と命名。(ヒンディー語でアチャ=OK)


今回は「ダルカレー・南インド風」を作ってみました。

創作です。インド料理専門家の方、あらかじめご容赦くださいまし。


水、ムングダル、ターメリック、ガラムマサラをインド鍋に入れて火にかけます。

沸騰してから30分、豆が柔らかくなってきたら、すり鉢で潰したニンニク、生姜、青唐辛子、ホールスパイス(コリアンダー、クミン、フェネグリーク、黒こしょう)でペーストを作り、ダルに加えます。

野菜も投入。今回は玉ねぎ、トマト、ズッキーニ、カリフラワー。

塩とバターも加えて、グツグツ....。


そして最後に「テンパリング」。

油で炒めたスパイス類(クミン、ブラックマスタードシード、カレーリーフ、唐辛子)をジュっとかけます。

南インドではこのテンパリングは必須。最後にカレーに加えると香りがグッと立ちます。

おぉ、きたーーーっ。いい香り!



ちなみに、

北インド料理はこってり系が多く、乳製品を使います。主食はチャパティとナン(お米も食べる)。

南インド料理はサラッとしていて乳製品は使いません。主食はお米。

そういえばイタリアも北はこってり肉系、南は野菜を多く使うあっさり系です。

気候と食は密接に関係していますね。


豆が似ているのでよく間違えられる3種の豆について説明します。

ムングダル

トゥールダル

チャナダル


ムングダルはダルカレーによく使われる豆。一番早く煮える豆で、消化もいいです。

トゥールダルは南インドの「サンバル」で使う豆。圧力鍋で煮ます。

チャナダルはひよこ豆。西洋では「イエロースプリットピー」とも呼ばれます。

チャナはムングに比べ、煮上がるのに少し時間がかかります。サラダなどに使われる「ひよこ豆」と、小粒の「チャナダル」は同じひよこ豆でも品種が違うようです。

ムングダルとチャナダルは水に浸けず、すぐ使えるので便利です。


今日はムングダルを使いました。

汗が出るほど辛くておいしかったー。


「インド料理は難しくないですから」とアチャさんが教えてくれているよう。インド鍋の特別な形状は、実にインド的でリラックス感がある。あぁ愉し。


***


道具はその国の「食」に合うように進化したもの。

このインド鍋も進化系ですね。

油とスパイスを馴染ませるための工夫とか。

下部に銅を使って、火のまわりを早くするとか(今回もあっという間に沸騰しました)。

ステンレスを使うことで、鍋にスパイスの匂いがつかない、とか。

そして、上部の部分が少しつぼまっているため、油やスープが跳ねても、外に出にくい(全く出ないわけではありませんけれど)。


これで取っ手と蓋があれば言うことなしなんだけれど。



*材料等の分量は今も探っている状態で、あえて記載しませんでした。