「おむすびのにぎりかた」が発売されました!


3年間コラムを書いてきた「みんなのおむすび」(ミシマ社のウェブマガジン’みんなのミシマガジン’)が、このたび書籍となって発売されました。

写真家、野口さとこさんと一緒に、あてもなく始めたおむすび取材をスタートさせたのが4年前ぐらいだったか。それを編集社「毬藻舎」の友成響子さんが、知る人ぞ知る「ミシマ社」に企画を持って行ってくれて...そして始まったコラムです。


いろいろな分野で活躍されている方々におむすびを握っていただき、お話を伺い、その方の考え方、生き方を通しておむすびを観ていくというコラム。なかなかどうして骨太な内容だと思います、へへ。


この本はおいしいおむすびをにぎるための心を探る内容で、技術的なものではありません。

けれど、おむすびこそ精神性が大事だと思うのです。

おむすびに必要なのはごはんと塩だけ。誰でもこの2つの材料さえあればできます。そこが料理と違うところ。


三角でも、丸でも、俵型でも、

大きくても、小さくても、無骨であっても、みんな等しく正しい。

こうしなきゃダメ、あーしなきゃダメ、を どんなものでもいい、自由であれ、っておむすびが教えてくれる。

恥ずかしさやプライドも捨てて、無心になれる。


誰でも握れるおむすび。でもひとりひとり、みんな違うおむすび。

おむすびはその人自身であり、オブジェですね。自身の心がおむすびに込められてはじめて、食べる人に伝わるものです。

おむすびのおいしさは技術的なことよりも「大切な人から大切な人へ握る」心の有り様で変わってくるのではないかと、取材を終えて思います。


どの方のお話も印象深かかったですねぇ。

そして、どのおむすびもおいしかった。


少し紹介しますと、

例えば、

京都妙心寺「花園禅塾」の塾長である羽賀浩規さんにお話しを伺ったときは、もう鼻から火が吹くほど興奮状態でした。お坊さんにおむすびを握ってもらえるなんて夢のようだったし、お坊さんになりたかった私としては(これほんとの話、笑)、妙心寺に尋ねて行くだけでも胸が高まりました。

「人生は回り道していい。いらないものや役に立たないものはひとつもない。経験は邪魔にならないのです。」という羽賀さんの言葉が印象に残っています。




六本木のご自宅でギャラリーをされている大橋さんも素敵でした。

「こうでなきゃダメ」という人間の我を、逆発想に変換させて、柔軟な心にしていく彼の生き方に一筋の光を見るようでした。大橋さんのおむすびの思い出は、お母さんの「おしろいの香りがついたおむすび」。東京に上京して、はじめて食べたコンビニのおむすびを食べたときは、心から寂しさを覚えたと言います。

おむすびの原点である「温もり」を体験するのは、その人にしか味わえない「超個人的」なものです。うまいへた、良しあしなどはそこには存在しない。素の自分を出すことが大事なのです。

大橋さんの話を聞きながら、そのことを改めて思いました。




京都「みたて」(和花屋さん)は町家のお店兼自宅が素晴らしく、今でも情景を思い浮びます。

「みたて」は草花の「素」を活けたいと、ハウスで育てた洋花は一切扱わず、山にある自然に伸びた草木花を活けることに徹しています。

活けられている和花の美しさはもちろん、台所の佇まいに惚れ惚れ。無駄な調理器具がひとつもないのが印象的でした。

土鍋が数種類、すり鉢、焼き網、竹ざる、土物の大皿などが整然と置かれています。

台所を見ただけで暮らし方がわかりますねぇ。どれもこれも使い勝手が良さそうな配置です。

studio482+で扱っている土楽のものが多かったです、ふふ。


おいしいおむすびをにぎることは西山みかさんの手を見れば一目瞭然。本当においしいおむすびでした。



ほか、

酒蔵の杜氏・田中勝巳さん

シュートボクサーの元チャンピオン・高橋藍さん

ガラス工芸作家・新居百合子さん

ハーブ&スパイスコーディネーター・村田真彌さん

醤油醸造屋・大久保醸造さん

こちょこちょ・谷尾展子さん

イタリア料理屋「base」神出夫妻

ライフコーディネーター・沼田みよりさん

映像会社・チャンスメーカー代表・岡田真紀さん

ステンドクラス作家・かよパティソンさん

蕎麦屋「とりい」中村夫妻

洋服屋・ネイビーヤードの小野喜代治さん

佃煮屋・津乃吉さん

バリューブックス代表・中村大樹さん

元スケートボード会社経営社・林浩史さん

ブラジルシンガー・ヘナート・ブラスさん

以上、19名。


今回はレシピ本ではなく、初の!読み物です。

かばんに入るコンパクトサイズですから、通勤時間や昼休みに読めますよ〜。

読むとお腹が空いてしまうかも、ふふ。

もちろん各方々のおむすびレシピも掲載しています。


これは京都の佃煮屋「津乃吉」のおむすび定食!!




おむすびは買うものではなく、握るもの。

おむすびを握り、大切な人に「自分の温もり」を伝える。

この日本の食文化をずっと伝えていきたいと改めて思います。



「おむすびのにぎりかた」(ミシマ社)

全168ページ(カラー16ページ)

写真家・野口さとこさんと共著本。

装丁デザイン・名久井直子さん

本体1500円+税


ミシマ社の「手売りブックス」シリーズの1冊です。

手売りブックスは出版社、著者、読者が手をつないで「伝える」ということを大切にしていく、新しい本の売り方です。

「おむすびのにぎりかた」を持って、イベント等でこれから長く伝えていきたいと思います。イベントをやってほしい!という方、ぜひご連絡ください。


studio482+(入荷次第販売)、ミシマ社アマゾン、一部の本屋さんなどで販売しています。